SELMER SELMER Adolphe Sax

Production Period / 1931-1944(SN:145-3,600)

Introduction

History

SELMER Adolphe Saxは、サックスの元祖として知られるアドルフ・サックス氏の遺産を受け継いだ楽器です。

このモデルは、1931年から1944年頃まで製造されていたとされ、1928年にアドルフサックスカンパニーがSELMERに買収された後に誕生しました。

 

初期のモデルはアドルフサックスの部品や工具を活用して製造されており、当時の製法がそのまま引き継がれています。

1936年頃まではアドルフサックスの特徴が色濃く残っていましたが、135,000番台以降になるとSELMER独自の部品や工具が組み合わされ次第にSELMERスタイルの構造へと進化していきました。

このような変遷を経て、元祖サックスの伝統と新しい技術が融合した特別なモデルとなっています。

 

サウンドは、明るさとダークさが絶妙に混ざり合った中間的な音色が特徴です。鋭さや渋さが際立つというよりも、柔らかさとバランスの取れた響きを持ちさまざまな演奏スタイルに対応できる万能さがあります。

 

現行と比べると、SELMER Adolphe Saxは演奏時に自然なフィット感よりも奏者が楽器に体を合わせる感覚が必要です。

ただし、適切な構え方を身につければ問題なく演奏できます。

 

テーブルキーや操作性は現行モデルよりもやや扱いにくい部分がありますが、ヴィンテージ特有の魅力を感じる設計です。

元祖Adolphe Saxと比較するとフロントキーの追加やベルの長さの変更など、構造に進化が見られる点が特徴です。

 

バランスの取れた響きを求める奏者やヴィンテージサックス愛好家にとって、特別な魅力を持つ楽器です。


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