SELMERModel26

SELMER Model 26は1926年から1928年に製造されたモデルで、SELMERがサックス製造で波に乗り始めた時代を象徴する重要な楽器です。

Model 22の後継モデルとして登場し、構造やデザインにマイナーチェンジが施されSELMERサックスの進化の一端を担いました。

この時期、SELMERは年間約1,500本のサックスを製造する規模に成長しており、その勢いを反映したモデルです。

サウンドは、渋く乾燥したような音色が特徴で力強さと深みを感じさせます。Model 22に比べて、音に厚みが加わりより洗練された響きを持っています。

現行と比べると、Model 26は構え方に独特の癖があり演奏者が脇をしっかり締め、親指を縦気味にセットする必要があります。

サイドレバーの位置が低いため、操作性の面では現行モデルに劣る部分がありますがその一方でヴィンテージならではの味わい深い音色が魅力です。

また彫刻や素材にも工夫が見られ、この時期にはシルバープレートモデルも登場しSELMERが新たな試みを模索していた過渡期を象徴しています。

Model 26は、目立った変化よりも試行錯誤を重ねながら進化を遂げてきたSELMERサックスの歴史を物語るモデルです。その渋みと力強さを備えた音色は、SELMERの成長を感じさせる一台として評価されています。

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