SELMERLarge Bore

Production Period / 1928-1931(SN:8,100-14,860)

Introduction

History

 

SELMER Large Boreは1928年から1931年まで製造されていたモデルでModel 26の後に登場した、SELMERの歴史の中で重要な楽器です。

 

このモデルは、それまで続いていたModel 22やModel 26といった番号付きの命名から脱却しボア(管径)の拡大を特徴とした初のサックスとして位置づけられています。

 

 

この時期、SELMERは年間約2,000本のサックスを製造しており、そのうち約3分の1がアメリカ市場に輸出されていました。

アメリカでのジャズの台頭により演奏者たちはより大きな音量と明るい音色を求め、Large Boreはその要求に応えるために開発されました。

 

ネックと本体を接続する部分の差し込み口がわずか0.4ミリ拡大されたことでサウンドに劇的な変化をもたらし、このわずかな改良がジャズプレイヤーたちに大きな支持を得ました。

 

サウンドは、Model 26に比べて明るく輝かしい音色が特徴で音量が増したことも際立っています。

音の鳴りやすさが向上しており力強く豊かな響きが得られるため、ジャズの表現に理想的なサウンドを提供します。

その一方で、ヴィンテージ特有の味わい深さも持ち合わせており繊細な表現も可能なモデルです。

 

現行と比べると、Large Boreは演奏者にやや特有の構え方を要求します。脇を締め親指をまっすぐに構える必要があり、現行モデルと比べると持ちやすさや操作性の面ではまだ発展途上と感じる部分があります。

 

また、このモデルではトリルキー(特にHigh Fシャープキー)の部分がパール装飾に変更されておりそれが大きな特徴の一つです。

 

このモデルのボア拡大という構造変更は当時のジャズブームの影響を受け、より大きな音量と輝かしい音色を求めたプレイヤーのニーズに応える形で生まれました。

SELMER Large Boreは、ジャズの歴史を語る上で欠かせない重要なヴィンテージサックスです。

 

Real Sound



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